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理学療法士の訪問リハビリとは?自宅でできる機能回復とサポート内容
2025年07月24日
病院を退院した後、リハビリが必要でも「通院がつらい」「家族の負担が心配」といった声は少なくありません。
そんなときに役立つのが、理学療法士による訪問リハビリです。
本記事では、自宅で安全に機能回復を図るための訪問リハビリの特徴や、実際のサポート内容について詳しくご紹介します。

理学療法士の自宅での安全な機能回復方法
自宅でのリハビリは、利用者が日常生活をより安全かつ快適に過ごすための重要なケアの一つです。
理学療法士が訪問して行うリハビリは、本人の体調や生活環境に合わせた個別的なプログラムを提案できるのが特徴です。
ここでは、訪問リハビリの役割や目的、特徴、受けるメリット、安全対策などについて具体的に解説します。
訪問リハビリの役割と目的とは
訪問リハビリの主な役割は、自宅での生活を支えるために日常動作能力を最大限引き出すことにあります。
入院中だけでなく、退院後や在宅療養中の高齢者や障害者が安全に暮らせるように、転倒予防や基本動作(立つ、座る、歩く)の訓練、環境調整を行うことが目的です。
単なる訓練だけでなく、本人と家族の心理的なサポートや動作指導、助言も含まれる点が大きな特徴です。
理学療法士による自宅リハビリの特徴
理学療法士が自宅で提供するリハビリは、病院や施設とは異なり、本人の実際の生活環境に即して訓練を行える点が特徴です。
家庭内の段差や家具の配置、生活動線に合わせて運動や動作指導ができるため、より実用的な機能回復が期待できます。
また、一人ひとりの希望や目標に合わせたオーダーメイドのプランを作成できるので、日々の生活の質向上に直結するサポートが受けられます。
自宅で安心して受けられるリハビリのメリット
自宅で行うリハビリの最大のメリットは、リラックスできる環境で安心してサービスを受けられることです。
家族のサポートも得やすく、日常生活の中で実践的な訓練を積むことができます。
加えて通院の負担が無く、移動で体力を消耗せずに効率よくリハビリを継続できる点も大きな魅力です。
感染症リスクの低減や長く自宅での自立生活を目指す方にも適しています。
理学療法士が行うリスク評価と安全対策
安全な自宅リハビリを提供するため、理学療法士はまず居住環境や本人の身体状態を評価します。
例えば、転倒リスクの高い場所や動作、身体の弱点などを詳細にチェックし、必要に応じて手すりの設置や段差解消などのアドバイスを行います。
また、訓練内容もその日の体調や危険性を考慮して計画し、安全に配慮したサポートが徹底されています。
利用者と家族へのサポート内容
理学療法士は、単にリハビリを提供するだけでなく、利用者と家族への包括的なサポートを行います。
例えば、日々の運動の仕方や介助方法の指導、今後の生活設計、介護保険制度の活用法など、日常生活を豊かにするためのアドバイスを行います。
また、不安や困りごとについても相談に乗り、精神面の支援を大切にしています。
運動機能回復を目指す訓練プランの一例
自宅での機能回復訓練には、利用者の状態や目標に合わせた様々なプログラムがあります。
例えば、寝返りや起き上がり、立ち上がり動作の反復練習、歩行訓練、ストレッチや筋力トレーニングなどです。
また、家の中での実際の歩行ルートを使って安全な移動方法の指導や日常動作をスムーズにするための工夫も行われます。
これにより、生活の自立度が高まり、本人の自信や意欲にも繋がります。
訪問リハビリの対象となる方と症状
訪問リハビリは、さまざまな理由で自宅での生活に制限が生じている方々に適しています。
特に在宅療養中の高齢者や身体機能が低下している方、各種疾患による障害を抱えている方が主な対象です。
ここでは、主な対象疾患・障害や具体的なリハビリが役立つケースについて解説します。
対象になる主な疾患・障害一覧
訪問リハビリの対象は幅広く、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や骨折後、パーキンソン病、認知症、脊髄損傷、筋疾患などが代表的です。
これらの疾患は移動や日常動作が困難になりやすく、入院から自宅復帰後の生活支援が必要となります。
また、心疾患や呼吸器疾患、慢性的な関節疾患(変形性膝関節症やリウマチなど)にも対応しており、症状の悪化予防や生活の質向上を目指しています。
高齢者の身体機能低下への対応や在宅療養中のリハビリが必要なケース
高齢者は加齢に伴い、筋力低下や関節の可動域制限、バランス機能の低下などが進みやすくなります。
また、長期入院や寝たきり、認知症進行による身体活動の減少、慢性疾患による体調不良も自宅リハビリの必要性を高めます。
このような場合、理学療法士が必要な訓練や生活動作のサポートを行うことで、転倒予防や自立度維持、生活範囲の拡大が期待できます。
家族の介護負担の軽減にもつながるため、積極的な利用が推奨されます。
まとめ
理学療法士による訪問リハビリは、自宅にいながら自分のペースで安全に機能回復を目指す最良の方法の一つです。
自宅の環境を活かしたオーダーメイドのサポート、きめ細やかなリスク評価や安全対策、利用者と家族の心身両面への支援が大きな特徴です。
訪問リハビリは多様な疾患・状態に対応し、高齢者の自立支援や家族の負担軽減にも寄与します。
利用者一人ひとりの目標や生活に寄り添ったリハビリを通じて、生き生きとした在宅生活を支援します。