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潜在看護師とはどんな人?看護師が離職する理由や潜在看護師が復職する際の不安は何?

2023年12月13日

戦後直後に生まれた団塊の世代が、医療や介護を必要とする年代に差し掛かる中、医療機関では看護師の不足が心配されています。

その一方で、看護師資格を持っていても復職しない潜在看護師が70万人前後存在しています。

潜在看護師が復職しないのは、看護の仕事ならではの大変さがあるからです。

今回は潜在看護師がどのようなものか、看護師が離職する理由にはどのようなものがあるのか、潜在看護師が復職する際に不安に思っていることは何なのかといったことをとりあげます。

潜在看護師とはどんな人?看護師が離職する理由や潜在看護師が復職する際の不安は何?

潜在看護師とは

厚生労働省の報告書では、潜在看護師を「看護師あるいは准看護師免許保有者のうち、

衛生行政報告例で報告されている就業場所」で就業していない看護師・准看護師と定めています。

もう少し簡単にいえば、病院や診療所、訪問看護ステーション、介護保険施設、保健所などで働いていない看護師・准看護師のことです。

厚生労働省に提出された報告書によれば、潜在看護師は男性が59,599人、女性が458,554人の合計518,153人でした。

准看護師の潜在数は男性が38,003人、女性が237,728人の合計275,731人です。

看護師と准看護師の両者を合わせると793,884人が潜在看護師としてカウントされています。

潜在看護師の調査と同じ年である令和2年(2020年)の看護職員就業者数は約1,734,000人であることを踏まえると、看護師資格を持っている人のかなりの数の看護師・准看護師資格保有者が潜在看護師となっていることがわかります。

看護師が離職する理由

看護師が離職するのはどのような理由があるからなのでしょうか。

主な離職理由を3つ取り上げます。

職場の人間関係が難しいから

1つ目の理由は、職場の人間関係の難しさです。

医療・看護の現場は、自分一人で作業するのではなく他のスタッフと協力して業務を行うためチームとして行動しなければなりません。

チーム内で緊密な連携が求められる一方、他部署とのつながりが少なく閉鎖的な職場である一面を持ちます。

そのため、職場内の人間関係が上手くいかないと大きなストレスを抱えることになり、人間関係を起因とする退職につながりやすいのです。

看護師の仕事が激務だから

2つ目の理由は、看護師の仕事が激務だからです。

看護師は、医療機関に来る患者の命を預かる重要な仕事であるため、責任重大です。

しかも、チーム医療の要であり患者とコミュニケーションをとりながら業務を進めなければならないため、一人あたりの業務量が非常に多いといえます。

出産・結婚を控えているから

3つ目の理由は、出産や結婚などライフステージの変化により退職するからです。

看護師の仕事は激務であり、出産や子育てと同時に行うことに不安を感じる方も少なくありません。

そのため、出産や子育てに専念するために退職するというケースが多く見られます。

潜在看護師が復職しない理由

今後も需要が多い職種とみられる看護師ですが、資格を持っているにもかかわらず復職しない潜在看護師が約70万人も存在しています。

潜在看護師が復職しない理由として、復職に関する不安があります。

最新の医療に対する不安

1つ目の不安は最新医療についていけるか自信がないという不安です。

医療技術は日進月歩で変化し続けているため、数年間ブランクがあると、それを取り戻すのがとても大変です。

職場をやめてからブランクが空いている方の場合、復職支援制度を活用するのがおすすめです。

都道府県ごとに設置されているナースセンターを利用するという方法もあります。

ナースセンターでは、再就業の相談や無料職業紹介、再就業の支援研修、交流会などを行っているため、これらに参加することで復職の準備を進められます。

育児に対する不安

出産や育児を機に看護師を退職した方の多くは、育児と看護師の業務の両立に不安を持っています。

職場で育児をバックアップしてくれるのか、夜勤を免除されることで職場の人間関係が悪くならないかと、何かと心配になることが多いでしょう。

一般的な病院での復職に不安を感じているのであれば、訪問看護や介護施設などで夜勤のない職場から探してみるとよいでしょう。

復職する際はライフスタイルにあった勤務先を選ぶ

潜在看護師となっている方の中には、復職後のライフスタイルの変化を心配しているかもしれません。

せっかく再就職しても、職場の希望と自分の希望がかみ合わないミスマッチの状態になってしまうと、早期退職につながってしまうかもしれません。

看護師の再就職をバックアップする求人支援サービスなども利用しながら、自分のライフスタイルに合った勤務先を選ぶことが大切です。

また、医療機関・介護施設側も、看護師が復職しやすく、継続して払きやすくなるような職場環境の整備が求められています。

まとめ

今回は潜在看護師の現状や看護師が離職する理由、復職する際の不安などについて解説しました。

団塊世代の高齢化が進む中、看護や介護の現場の働き手が不足しています。

その一方で、せっかく資格を持ちながら復職に踏み切れない潜在看護師も70万人ほど存在しています。

潜在看護師が復職しやすい環境を整えることで、医療現場の人手不足を解消できる可能性が高まるでしょう。

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